明日に向けて

福島原発事故・・・ゆっくりと、長く、大量に続く放射能漏れの中で、私たちはいかに生きればよいのか。共に考えましょう。

誰もが健康で幸せであることを願ってオーガニックを進めよう!―レイシズムを超えて― 参政党や高市首相にご用心!

誰もが健康で幸せであることを願ってオーガニックを進めよう!―レイシズムを超えて― 参政党や高市首相にご用心!

守田です(20260204 23:30) 明日に向けて(2563)

● 市民研ニュースにレイシズム批判を載せました!

総選挙にむけてレイシズムに対する批判を行います。
とくに取り上げたいのは、オーガニックとレイシズムを結びつける発想。実はそれには先例があります。ナチスがこの二つを強烈に結びつけていたのです。

出典はウキペディアなど

昨年の参院選の時に、このナチスによく似た主張が飛び出しました。一方でオーガニックを掲げ、他方で「日本人ファースト」を掲げた人々の登場です。
この時、京都でオーガニックに関わる人々たちから「限られた人のためのオーガニックは私たちの目指す世界ではありません」という声明が出されました。

これに京都市左京区の「市民環境研究所」が賛同しました。僕のその一員です。
そしてこの点を年頭(1月15日)に発行された市民研news42に掲載することになり、僕が執筆させていただきました。

今回の選挙に向けても積極的にこれを公表しようということになり、昨日、ウェブサイトに公開しました。以下のものがそうで4、5ページに当該の原稿が載っています。

https://drive.google.com/file/d/1i0PJ6u7Y5wuyIBIIwvmAkdSs_6XG29uX/view

この文章をここでテキストでもご紹介しておきます。


● 誰もが健康で幸せであることを願ってオーガニックを進めよう!―レイシズムを超えて―

昨年の参院選で「限られた人のためのオーガニックは私たちの目指す世界ではありません」という声明が広まりました。オーガニックを掲げつつ「日本人ファースト」を唱える政党への批判です。(記事の末尾に掲載)
私たちもサインしたこの声明の背景を、歴史と構造から掘り下げます。

オーガニック(organic)とは化学肥料や農薬を排除し、自然に近い作物を育てる発想です。そこには近代科学が生んだ負の部分と向き合う側面、科学をお金儲けに直結させる資本主義への批判も籠っています。
ところがここに危うさも潜んでいる。近代の「個人の自由と競争で誰もが豊かになる」という建前は、実際には貧富の差を拡大させました。
こうした矛盾が欧州を覆った1920年代、オーガニックも唱える政党がドイツで急成長しました。国家(民族)社会主義ドイツ労働者党——ユダヤ人などを大量虐殺したナチスです。

ナチスは近代批判を過去の美化につなげ、個人主義批判を全体主義の礼賛に転換しました。農業相リヒャルト・ダレーは「血と土(Blut und Boden)」を掲げ、「アーリア人種」と「ドイツの大地」を守れと訴えた。
その核心は「身体(共同体)に不純なものを入れない」という排除論理でした。これが勧善懲悪論となり、やがてユダヤ人、スラブ人などへの大量虐殺につながりました。オーガニックはそれと同じロジックで礼賛されていた。

1937年12月13日、ゴスラーで農業コミュニティの会合に演説するリヒャルト・ヴァルター・ダレ、背後には剣と麦束で交差した国章のワシとハーケンクロイツがあり、その下には「血と土」と書かれている(ドイツ連邦公文書館所蔵)

ところでナチスの台頭に対し、当時のドイツの左派はどう対峙したのでしょうか。ここに歴史の教訓があります。
ドイツには共産党(KPD)と社会民主党(SPD) がありましたが、どちらもナチスをきちんと分析できていませんでした。
KPDは「ヒトラーの後、我々の番だ(Nach Hitler kommen wir)」とさえ言っていました。「ナチスは短命に終わり、その後プロレタリア革命が来る」と。
KPDはファシズムを「独占資本の道具」と単純化し、大衆心理やナショナリズムの力を過小評価し、社会民主党SPD)を主要敵とし、労働者の分断を招きました。

ドイツ共産党のポスター 「共産主義者に投票せよ 労働者の敵ではなく」と書かれている(大意) 左からUSPD=独立社会民主党(社会民主党左派)、聖職者風=カトリック中央党、ナチス軍人、シルクハット=資本家、SPD社会民主党、これらがみな労働者の敵だと主張 
労働者と市民の大らかな団結を訴えないままにやがてナチスに競り負けていった

 

しかしもっと根深い問題がありました。KPDは国家主義にからめとられてもいたのです。象徴的なのが1923年の「シュラーゲター事件」でした。
ナチ党員のシュラーゲターがフランスのルール占領に抵抗し処刑されると、ナチスは彼を「民族の殉教者」として英雄視しました。驚くべきことにKPDもこれに共感し、「ドイツ民族のために戦った愛国者」として追悼したのです。
KPDの指導者は「民族的熱情を理解し、ナチス支持者と共に帝国主義と戦う」と演説しました。

しかし当時、レーニンが「祖国敗北主義」を掲げ、「各国の労働者は互いに戦わず、自国政府と対峙せよ」とアピールしていました。
本来、ルール占領への対抗は、フランスとドイツの市民・労働者の国際連帯で進めるべきでした。ところがKPDは「ドイツ民族の屈辱」への共感を表明し、国益国防論に自ら陥ってしまった。これがナチスを阻止できなかった根本原因でした。
すべての国の市民や労働者と連帯し、「国家」や「民族」という枠を超えることが大事だったのです。
さらにSPDは資本家との妥協を優先し、労働者の怒りを結集できず、支持をナチスに奪われました。だからこそ当時のドイツ左派はナチスをおさえこめなかったのです。

現代はどうか。新自由主義グローバリズムの下、巨大資本が富を独占し、格差と環境破壊が進む中、多くの人が圧迫されています。
こうした不安と怒りは勧善懲悪論に結びつきやすい。「ケミカルをばら撒く者を許すな」という批判が、ワクチンへの不安や権力への怒りに結びつく。
問題は、その怒りが外国人などへ転嫁されるときです。「グローバリズムが日本を破壊する」が排斥へと変質し、「外国人は不純」というレイシズムが煽られる。
そもそも「外人」という呼称そのものが、内/外の境界を絶対化し、対等な人間として認めない排外主義の言語です。そんな中でオーガニックとレイシズムが「排除」というタームで結びついてしまうのです。

ナチスの創り出した「帝国食糧団」のポスター 上部のReichsnährstand=帝国食糧団、真ん中のBlut und Boden=血と土、下段のOrtsbauernführer=地区農民指導者 剣が武力を、麦の束が農業を象徴し、これがハーケンクロイツの上にあしらわれている 出典alamy.com

このことは現代の日本の市民、左派、リベラル勢力にとっても他人事ではありません。なぜなら私たち自身が、常に国益国防論にからめとられる危険性を抱えているからです。
国益国防論に絡めとられると、グローバリズムへの正当な批判が「日本の国益を守れ」へ、労働者保護が「外国人労働者の規制」へと変わってしまいます。それではナチスをおさえられなかった誤りを繰り返すだけです。

どうすべきか。「宇宙船地球号」の乗組員としての自覚を広げ、国際連帯を強めましょう。船内で一部が富を独占する不正を正し、環境という「社会的共通資本」を守る。
「純粋な何か」を排他的に守るのではなく、国籍・民族・経済状況にかかわらず、誰もが健康で幸せになるために、良い食べ物を作り、分け合う。

私たちが求めるのは「日本人のため」ではなく「すべての人のため」です。オーガニックは「地球上のすべての人の健康と環境」のため。労働者保護も「すべての労働者の権利」のため。美味しい食べ物で心身が満たされれば、争いは減ります。
各国政府が市民を戦わせようとすることに、よき食べ物で抵抗しましょう。だからこそ、レイシズムを超えたすべての人のためのオーガニックを求めます。

***

なお昨年の参院選にときに出された声明も掲載しておきます。


● 「限られた人のためのオーガニックは私たちの目指す世界ではありません」

私たちはオーガニック食品に関わる仕事をしています。
それは一部の限られた人の特権としてのオーガニックではなく、おいしくて、安全で、できるだけ環境・社会負荷の少ない食材に〝誰しもがアクセスできる世界〟を目指した取り組みです。
私たちの町には外国籍を持った人や長期滞在の人もいれば留学生や旅行者、多種多様な外国ルーツの人々がいます。
国や民族、年齢、性別、経済的な状況、障害があるかないかなどにかかわらず、オーガニックの食材を手にしてほしいし、おいしいを共有したい。
オーガニックを広めたいというその根底には、既存の仕組みの中で犠牲になってきた小さな声を見逃さずに本当の意味で健全な世界にしたいという想いがあります。
それは誰かを排除したり、命に順番をつけるような世界への抵抗なのです。
オーガニックを掲げながらも「日本人ファースト」というストレートな差別発言を選挙活動を通じて広めている政党と私たちの思うオーガニックは根底の一番大切な部分が違います。
すべての生きとし生けるものに健やかな食と暮らしがいきわたることを目指すオーガニックをこれからも私たちは広め続けます。

ナチュラルフーズドングリ 赤塚瑠美(京都)
すみれや 春山文枝(京都)


レイシズムを超えて

今回の選挙、レイシズムを一つの投票基準にしましょう。
私たちはもはや宇宙船地球号に共に生きています。その中でファーストにして良い人々などいないのです。
僕が原発事故を防ごうと主張し続けているのも同じ理由です。だって放射能は差別なんかしないから。地球上のすべての人に害悪をもたらすのだから。

人類全体の幸せを考えている政党を勝たせましょう。レイシズムを唱え、差別発言を繰り返す政党を凹ませましょう。

文部省発行の「あたらしい憲法の話」より 国際平和主義の説明に加えられた絵 「じぶんの國のことばかりを考え、じぶんの國のためばかりを考えて、ほかの國の立場を考えないでは、世界中の國が、なかよくしてゆくことはできません。」とある。これが憲法の精神

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