守田です(20260221 09:30) 明日に向けて(2567)
● 自民は議席は圧倒的でも有権者の支持は3割にも満たない!
総選挙が終わりました。議席数だけを見れば与党の圧勝でした。この結果に打ちひしがれている方も多いと思います。
しかしみなさん。今回に限ったことではないですが、日本の選挙制度、かなり歪んでいて、民意を反映しているとはとても言えません。
なぜか。絶対得票率(全有権者に対する支持率)が、議席占有率と大きく乖離しているからです。
例えば自民党の比例代表の得票率は20.37%。有権者の5人に1人にしか満たないのです。小選挙区を見ても26.9%しかない。有権者の4人に1人です。
それで議席占有率は全体では68%(316議席/465議席)、小選挙区は86.2%(249議席/289議席)です。小選挙区など26.9%の支持で86.2%の議席を奪っているのです。
あまり選挙制度が歪みすぎている。これでどこが圧勝なのでしょうか。
小泉郵政選挙と比較しても矛盾が見えてきます。この時、自民は比例得票2589万票でした。それで296議席。今回は比例得票2103万票です。それで316議席。20議席も積み増している。比例候補がもっといればさらに14議席取れた。
これは郵政選挙の時には巨大与党の民主党があったから。今回は野党乱立でした。それだけで480万票少ないのに20議席も多くとっている。
これで今回の選挙で、いわゆる死票が2735万票にもなってしまった。投票数の実に48%が切り捨てられたのです。
これで「国民が高市政権を選んだ」などと騙されてはいけません。26.9%の支持で議席の86.2%占有なんて民主主義とは言えない。
だからまた「国民のレベルが低いのだ」などと言っている方がいたら注意してあげてください。低いのは選挙制度=民主主義的仕組みのレベルです。
実際には高市政権を支持しているのは2割から2割7分の方しかいない!だから巻き返せる。この点をしっかりおさえましょう。


● 原発反対で大きく前進しよう
ではどのようにして巻き返すのか。まず提案したいのは原発反対の声を高めることです。
なぜなのか。原発が国家の存亡にも関わる差し迫った危機であるとともに、それを無理に推し進めようとすること点に与党の最大の弱点があるからです。
そのことが突き付けられたのが能登半島地震でした。あの震源地は珠洲原発の立地予定地だった。もしあのとき原発があったら、被害は東電福島原発事故を超える壊滅的なものになっていた。
このように原発はたった一基の事故で、この国の半分以上を吹き飛ばしてしまいます。被害はアジアを越えて世界にも及びます。これほどの危険性のあるものは他にはない。他のどの環境問題とも比較にならない。
その上、原子力政策は完全に行き詰っていてオワコンです。もんじゅが廃炉になり再処理工場稼働の目途もたたない。核燃料サイクルが破綻し、 輸出も全部失敗。さらに今ある炉も地震との関係で危険性が際立っています。
浜岡原発で耐震データの大変な捏造がありましたが、なぜあれが起きたのかというと、捏造しなければ原発を動かせなくなるからでした。それ以外に捏造の動機など考えられない。もちろんそれは浜岡に限ったことではありません。
今、僕がこうして書いていることを、現場の技術者たちはとうに知っています。もっとリアルに、絶望的に。そして「こんなことに関わっていて良いのか」との思いと「言えば職を失う」との思いのはざまで葛藤しているに違いない。
今回の告発もその中からなされたのです。私たちが原発反対の声をもっと高めれば、必ず次の告発が出てくる。だって現場はどんづまりだから。どんな法を作ろうが与党はここを突破できません。だから最大の弱点なのです。
私たちはここに大きな声を集中しましょう。この国に住まう人々を本当に守らんとしているのは、原発を止めようとしている私たちなのです。これはイデオロギーの問題などではない。
私たちのエネルギーは愛です。すべての命を慈しむ心です。その点では「国」などに囚われていてもいけない。だって放射能は国境を越え、何万年後の未来にも累を及ぼすから。地球愛、人類愛で頑張りましょう。

● 戦争反対で大きく前進しよう
さらに戦争反対の声を大きく上げましょう。若者に人殺しという人間として過酷な行いをさせないことを訴えましょう。
いま国際社会は乱れています。ロシアとウクライナの戦争が止まらない。イスラエルも占領とジェノサイドをやめない。アメリカが各地を爆撃しだしています。どこでも若者が殺人者に変えられています。
そんな時にその流れに竿さして武力を高めるのは愚か。そうではなく戦争の過酷さ、若者に人を殺させることの罪を世界にアピールし、紛争を武力を使わずに解決していくことを心を込めて訴え抜きましょう。
そもそも日本は多くの人々が「戦争はよくないもの」と思っている稀有な国です。欧米などに講演で訪れていつも感じてきたのは、まだまだ多くの国々では「良い戦争」と「悪い戦争」という考え方が強いことです。
これに対してこの国の中で「自衛権は世界の常識だ」「だから日本は自衛武装を強めるべきだ」などという声も聞かれます。その通り、自衛権は世界の常識です。世界は唯一、自衛権と自衛戦争のみ認めている。だって侵略権や支配権など誰も認めないから。
そしてどの国も「自衛権」を盾に戦争しています。自衛権であらゆる暴力が肯定されてしまっている。それが今の世界です。
日本国憲法は、その世界の野蛮な常識である自衛権、自衛武装の放棄をうたったもので、だから人類史の中の新しい発想なのです。対立と抑圧、戦争と支配にまみれてきた人類の前史を閉じ、友愛の人類後史の扉を開く位置にそれは立っている。
私たちの先達は、明治以来の過酷で野蛮な戦争の積み重ね、その末の第二次世界大戦の敗北の中から平和の心を掴み取り、私たちに送ってくれたのです。それは私たちの誇るべき歴史です。それを未来にはばたかせてこそ世界は救われる。
そして実はこの点で原発反対と戦争反対がくっつくのです。なぜならそもそも日本は戦争などできないからです。海岸線に原発を50基以上も並べてしまっているからです。止めた後でも標的になり続ける。とても守ることなどできない。
いや実は日本だけではありません。世界の大国に多くにたくさんの核施設があり、防衛することなど不可能です。精密ミサイルとかもたくさんある。そんな状態で戦争を続ければ誤爆で大惨事が起きかねない。戦争反対こそが人類を存続させる確かな道です。

写真は朝の連ドラ『あんぱん』から 守田講演スライドより
● 2011年3月11日以降の目覚めに戻ろう
そして最後にみなさん。私たちはあのたくさんの同胞を失った東日本大震災と東電福島原発事故の中での私たちの目覚めに戻りましょう。
あの時、僕は後先考えずに走り出しました。放射線被曝から命を守らねばと思ったからです。もちろん僕だけではない。多くの方が走り出した。そうしてみんなこういったのです。「自分が悪かった。危ないことは分っていたけれどなんとかなると思っていた」
そう。多くの人が自分が危機と立ち向かってこなかったことに悔やみを抱き、自分と家族と仲間を、さらには子どもと未来世代を守るために動き出したのです。そうして国会前に20万人が集まった。全国で金曜行動が立ち上がった。
その中で数々の出会い直しが起きました。平和運動や組合運動、食の安全を守る運動や地域の活性化へと細かく分かれていた人々が集い始めた。そして組織間の軋轢や相互不信なども越え始めた。
それがさらに大きく発展したのが安保法制で集団的自衛権を合憲だなどと与党が言い出した時でした。その時、市民と野党の共闘がたくましく発展した。原発ゼロ法案だってできた。
僕自身は保守の人々との出会いもたくさん経験しました。原子力防災などでです。各地で保守政党の支持者の方たちとも会合ももった。そして町を保守している人々の心意気も知りました。
あの時、この社会には巨大な目覚めが起こった!そしてそれはいまも確かに息づいています。
実は今回の選挙、それが逆説的にも現れていました。あの安保法制の中で誕生したのが立憲民主党でした。集団的自衛権行使に与党が踏み切ろうとしたことに立憲は抵抗し原発にも反対した。
ところが今回、その立党の精神を捨てて、立憲は「中道」に合流した。有権者はそれであいそをつかして票が逃げた。それが小選挙区での自民との競り合いでどこでも負けた根拠でした。
だから僕は言いたいです。「立憲のみなさん。戻ってらっしゃい」と。「原発反対、集団的自衛権反対を掲げた時、あなたたちはカッコよかったですよ」と。
さらに日本共産党、れいわ新選組、社民党のみなさんにも訴えます。もう一度、もっと大きな声で原発反対!戦争反対!と叫びましょうと。
さらには参政党、みらい、国民、その他の諸党、さらには自民、維新のみなさんにも訴えます。この国を守る純な気持ちがあるのなら一緒に原発を止めましょうと。もはや戦争などできないことを自覚して、世界に武器の放棄を呼びかけましょうと。
みなさま。これらのことを心を込めて実行すれば、いまの流れは変えられます。最大で有権者の支持を27%しか受けていない高市政権の舵を、民意によって平和な方向へと切り替えましょう。頑張りましょう!

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